第139回「糖尿病の人は、認知症になりやすい?」
こんにちは。美泉堂薬局の西谷加奈子です。
第139回の健康セミナーでは、「糖尿病と認知症の関係」についてお話ししました。
詳しくは、YouTubeにアップしていますので、音声で聞きたい方は、そちらもご覧ください!
1. 糖尿病と認知症の関係
糖尿病の人は、そうでない人に比べて 認知症のリスクが高くなる ことが分かっています。
- アルツハイマー型認知症のリスク:約1.5~2倍
- 血管性認知症のリスク:約2.5倍
血糖値が高い状態が続くと血管や神経がダメージを受け、脳への酸素や栄養が届きにくくなるためです。これが「血管がサビる」状態であり、脳細胞を弱らせてしまいます。
2. 糖尿病に早く気づくために
糖尿病の初期症状は「疲れ」や「年齢のせい」と思われがちで、気づきにくいものです。
例えば…
- 疲れやすい、だるい
- のどが渇く、よく水を飲む
- 尿の回数が増える(特に夜)
- 食べているのに体重が減る、または逆に増える
- 目のかすみ
- 手足のしびれや冷え
こうしたサインを見逃さず、早めの受診が大切です。
3. 糖尿病と血管のダメージ
高血糖が続くと血管が「錆びて」いきます。
その原因には、
- 酸化ストレス(喫煙・過度の飲酒・ストレスなど)
- 糖化(タンパク質と糖が結びつき老化物質=AGEsが増える)
- 高血圧や高脂質による動脈硬化
これらが重なると脳への血流が減り、認知症のリスクが高まります。
4. 糖尿病の三大合併症
糖尿病は進行すると、次の3つの合併症を引き起こします。
- 糖尿病性神経障害(手足のしびれ・痛み・感覚低下など)
- 糖尿病性網膜症(視力低下・失明の原因に)
- 糖尿病性腎症(腎機能低下、人工透析が必要になることも)
実は「認知症」もこの流れの中で起こる合併症の一つと考えられています。
5. 予防法・生活習慣の改善
認知症や合併症を防ぐには、毎日の生活がカギです。
- 食事:急激に血糖値を上げない(ブドウ糖果糖液糖など、急激に血糖値を上げるものをできるだけ避ける・低GI食品・食物繊維を摂る)
抗酸化食材(緑黄色野菜・魚・ナッツ類)もおすすめです。 - 運動:1日20〜30分のウォーキングや軽い筋トレ
血糖コントロールと脳血流改善に効果的。 - 睡眠とストレス管理:7時間前後の睡眠と、深呼吸やストレッチでリラックス。
6. 体質別おすすめ漢方
漢方では体質に合わせてサポートができます。
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
内臓脂肪が多く、便秘やむくみがある方に。 - 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血流改善、動脈硬化予防に。 - 八味地黄丸(はちみじおうがん)
腎の働きを助け、冷え・疲れ・老化予防に。 - 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
足腰のだるさや神経障害のケアに。
まとめ
糖尿病は血管を傷め、認知症のリスクを高めます。
しかし、生活習慣を見直せば予防することも可能です。
「今日からできることを一つ取り入れてみましょう」
何からして良いかわからない、自分に合った漢方薬は何?などご相談は、いつでもお気軽にお越しください。
電話相談、LINEビデオ相談でも大丈夫です。
お待ちしています。
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